落語家の階級 見習いと前座

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落語の世界にもサラリーマン同様に年数と実績に応じて、階級があがります。

まず、落語家になるためには、弟子入りする必要があります。

テレビでみるお笑い芸人さんは、プロダクションに所属したり、養成所のようなところで勉強しますが、落語家さんは違うんです。

また弟子を持てるようになるには、真打の落語家さんだけなんです。

弟子になるにも一応年齢制限があるようで落語協会は30歳までとなっているようです。

それでは、落語家の第一歩、見習いと前座さんについて調べてみましたので、ご興味あればお付き合い下さい。

目次

前座になるには

落語家さんになるには、弟子入りして修行の日々が続きます。

まず、弟子入りを許可されると「見習い」になります。

この時点で、落語家さんになるためにスタート地点にたったわけではありません。

弟子入りすると、毎日師匠の所へ出向き、様々な用をこなします。

以前は、半年から一年間程度、師匠のところに住み込みで身の回りの世話をしながら、稽古をつけてもらい前座になりました。

最近は、自宅から師匠のところに通いながら身の回りの事や着物のたたみ方や稽古をしながら修行します。

また、独演会などにカバン持ちとして師匠のお供をしたり、着物のたたみ方を覚えたり、太鼓を叩く練習をしたり、落語を聞いたりします。

半年から一年くらいで師匠から許可がおりてやっと名前を頂けます。

これで晴れて前座になれます。

師匠のところに入門して半年から一年くらいの期間は「見習い」なんです。

前座は何をするの

晴れて、前座になるとさらに大忙しの毎日の連続です。

前座になると寄席への出入りを許可されます。見習いのうちは寄席の楽屋に出入りできないんです。

前座さんは寄席でどんな仕事をしているのでしょうか。

前座になっら寄席で様々な仕事が待ち受けています。

毎日、寄席に行っても高座に上がれるわけではありません。

開演前から準備をして、師匠方を迎えて、お茶を運んだり、出番を終えた師匠たちの帰り支度をしたり、出囃子の太鼓を叩いたり、その間にこっそりと師匠たちの落語を聞きながら勉強もしています。

とはいえ、前座なりたての頃は、楽屋での仕事をこなすだけで精一杯です。

落語の稽古は、師匠から教わります。

稽古はどこでどうやるのか

前座の身の間は師匠に稽古をつけてもらいますが、以前は「三遍稽古(さんべんげいこ)」といって師匠が同じ話を三回行ってそれを覚えて、師匠の前で落語を演じて、あれこれと修正し許可が下りると、高座で演じることが許可されます。

最近は、CDを渡されて覚えたら師匠の前で演じたり、ICレコーダを使って録音しそれを聞き覚える方法もあります。

どちらにしても、何度も稽古をして師匠から許可をもらうと高座にかけられます(高座で落語を演じること)。

前座の落語は入場料(木戸銭)に含まれていない!?

寄席の一番はじめ、開口一番で高座に上がれます。この前座さんの落語は入場料(木戸銭)には含まれていません。

だからプログラムにも載っていません。つまらなくても料金を頂いていないので、黙って聞いてあげましょう。

いつしか有名で独演会のチケットが取れない落語家さんに化けるかもしれません。

みんなで成長を見守りましょう。

前座にのランクがある

さて、前座にも見習の前座とベテランの前座がいます。

ベテランの前座を立前座といいます。

ベテランと言っても前座のキャリアが長いだけで落語が上手とか年齢は関係ありません。

立前座さんはなんでもこなせますが、帳面に本日公演する演目を出演順に書き込みます。

出演する落語家さんは事前にわかっていますが、どんな噺をするかわからないのです。

だから高座に上がって話し始めて、演目を聴きながら帳面に書き込みます。

その帳面を次に高座に上がる師匠たちに見せるのです。

師匠たちは帳面に書かれた演目を見てから今日の噺を決めるのです。

自分よりも前に高座に上がった噺と被らないようにするためです。

極稀に、どんな噺かわからず高座を降りてきてから師匠に駆け寄り、演目を聞くこともあるようです。

大抵は下座さん(出囃子の三味線を担当されている方)に聞けばわかるようですが、こういうこともあるようです。

いまは前座さんが2,3名いるので、師匠を出迎えたり太鼓を叩いたり、自分の高座を務めたりできますが、数十年前は前座が一人しかいない時もあったそうです。

太鼓を叩きながら緞帳の上げ下げやら、色物などの演者が出ているときは、演じ手に合わせて太鼓を叩かなければならない時もあったそうです。

ひどい時は、前座さんが居なくて、二つ目の方が前座さんの仕事をこなしていたことも。

毎日が修行の日々ですね。

前座はどのくらいの期間なのか

前座は2年から5年くらい勤めます。寄席に出られるようになり、また師匠の独演会などで前座を務めたりしながら、落語の勉強をしていきます。

独演会などのホール落語では、一番に最初に出て落語を演じているのは、前座さんや二つ目さんです。

師匠の落語とは雲泥の差ですが、いつか真打になるかもしれませんから、温かくも厳しい目で見守りましょう。

独演会などは、アンケート用紙が配られることがありますので、気になる前座さんや二つ目さんがいたら、メッセージを付けてあげるといいかもしれません。

前座のお給料はいくら?

前座さんは高座に上がれても、入場料に前座さんの分は含まれていないので給料はゼロです。

まったくの無収入状態となります。

とはいえ、師匠からお小遣い程度はいただけますが、毎日が厳しい生活です。

アルバイトはできません。アルバイトするくらいなら落語の稽古をしなさいと言われてしまいますし当然ですね。

だから、落語家になるにはある程度、周りの理解がないとなれない職業ですね。

全くの無収入な状態が2年から5年もあるので、ある程度貯えがないとだめかもしれません。

まとめ

落語家さんになるには何年もかかります。

しかし、弟子入りしたら師匠は、自分の芸を惜しみなく弟子たちへ教えます。

落語家は世襲ではありませんが、弟子入りすると親子関係のように、師匠は弟子に対して落語界の礼儀作法を教えます。

さらに、自分が身に着けた芸を弟子に伝えます。

こうした日々の修行を耐え抜くと、やがて二つ目、そして真打になれます。

寄席に出かけたら、是非修行中の前座さんの落語も聞いて下さい。

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