コロナ禍の影響で昨年(2020年)は初席に行ったきり、寄席に行くことがなくなりました。
2020年4月には緊急事態宣言が発出されて、寄席もしばらく休演となりました。5月にはオンラインで落語を配信し始めました。
配信を始めた直後の2020年5月に「橘家文蔵さんと柳家喬太郎さんの二人会」と、つい先日2021年4月に「柳家喬太郎独演会」の配信を体験してみました。
オンライン配信 落語のメリットは3つあるよ
オンライン配信による落語のメリットは3つあると感じました。
まず、パソコンやスマホ・タブレットがあれば、いつでも落語を楽しむことができます。
そして、ホール落語だと、チケット代が4,000円から5,000円ほどになりますが、オンライン配信だと半分程度の代金で見ることができます。
最後は、アーカイブ配信もあるので、都合の良い時間にいつでも見られるんです。
これって、いままでなら会場に行かなければ見られなっかた公演が、会場に行かなくても見ることができるようになりました。
噺家さんにとっても、新たなファンを獲得するチャンスになります。
オンライン配信 落語のデメリット
オンライン配信にはメリットもあればデメリットもあります。
オンライン配信で落語を見るにはインターネット接続が必須になります。また、チケットの申し込みや告知を知るには、パソコンやスマホを十分に利用できるのが前提です。
寄席やホール落語に何度も行きましたが、お客様の半分近くは60歳以上でスマホを持っていてもチケットを購入できるでしょうか。
多分50代、60代もスマホやパソコンを使い慣れていて、普段からネットで何かを購入しているような方であれば、チケットの購入も問題なく簡単にでききます。
チケットを購入できても、配信で落語を見るには、いろいろと手続きや設定も必要です。
いままで、寄席に行っていたお客様は、そもそもオンライン配信に興味はないかもしれません。
そして、一番のデメリットは、噺家さんが画面越しのお客様に語り掛けるので、その場の雰囲気が読み取れないことだと思います。
これは、いかんともしがたいことですが、この問題を解消できたなら、寄席やホール落語に近づけると思います。
オンライン配信落語の今後を考えてみた
オンライン配信落語にはメリットもデメリットもあります。そしてコロナ禍だからこそ、オンライン配信落語は成り立っているかもしれません。
もし、今後コロナが収束して、普段の生活が戻ってきてらオンライン配信落語はなくなってしまうのだろうか。
自分的には、オンライン配信が、すぐになくなるとは思えないんです。配信の仕組みさえ準備できれば、場所はどこでもいいわけです。
海外に住んでる日本人だけじゃなく、海外の人にも見てもらうことができるんだから、むしろ落語という芸が世界に進出するきっかけになるかもしれません。
まだ、寄席もホール落語も、制限があって満席にすることは無理ですが、オンライン配信の仕組みで、いままでなかなか寄席やホール落語に行けなかった人に落語を楽しんでもらえるチャンスではないかと感じています。
ゴールデンウィーク前の4/25日、平成時代最後の寄席に行ってみました。 場所は日本一の歓楽街から少し離れた新宿三丁目界隈にある「新宿末廣亭」です。 夕方5時を20分ほど過ぎた頃に入場しました。 いす席は7割くらいの入りでしたが、入り口から右手の座敷席には3,4人くらい座っていました。 なぜ座敷席がいいのかというと、落語家さんの目線がちょうどいい具合にあうんです。 まるで、こちらを見ながら話してくれているような感じがいいんです。 寄席は都内に4箇所ありますが、座敷席があるのは末廣亭だけではないでしょうか。 ただし、3時間もあぐらだと足が疲れるのと、混んでくると若干窮屈さはあります。 これは好みですが、いす席ならできるだけ前に座ったほうがいいです。 背が低いと、前に座高の高い方が座っちゃうと頭が邪魔でよくみられません。 それもあって座敷席で鑑賞しています。 テレビのバラエティ番組だとか、YouTubeなどの動画サイトでは見る事ができない芸がそこにはあるんです。 年末にあるM-1グランプリやピン芸人のR-1グランプリなども、勢いのあるタレントさんが優勝を目指して頑張っていますが、彼らが何を目指しいているかわかりませんが、そういう優勝を目指したものじゃないんです。 寄席にはメディアで見る事ができないけれど、芸暦30年や40年の長い間、舞台で生きてきた芸人さんを生で見る事ができるんです。 動画なら何度も再生できますが、いま目の前で古典落語を演じている落語は、大げさに言えば2度と見る事ができないんです。 不思議ですよ。古典落語というのは。もう何十年も昔の作られた話を、落語家さんたちが語りついで来たいるのに、演じる落語家さんによって、まるで違う話のように感じる事もあります。 それは、”いま”という同じ空間と時間を共有しているからだと思います。 ただ、面白おかしく話すのではなく、高座に上がる直前に演目を決める事があります。それは、同じ話がかぶらない様にすることと、会場の雰囲気で話を決めるんです。 テレビなどは事前に、何をするかを決めていますが、演芸場では予め決めてはいないんです。だから、何をするかは実際に行ってみないとわからない。 でも期待を裏切らないから、いつも会場はほぼ満席な状態。 結果、この日も夜7時を回った頃には、ほぼ満席。 空いていた座敷席も、いつの間にやら座るところも無く、後ろを振り返れば立ち見の方もいらっしゃる。 寄席は、特に新宿末廣亭は日常にはない空間を味わえます。入場すればすぐに分かりますが、劇場の雰囲気が昭和以前の雰囲気を味わえます。 木造作りの建築物で、座敷席にある下駄箱は木製なんです。座れば分かりますが、下駄箱であり上は飲み物などちょっとしたものが置けます。 画像撮影禁止のためお見せする事はできませんが、もしも末廣亭に行ったなら座座敷席を利用してみてください。 入場時にスケジュール表(香盤表)を貰うのですが、これはあくまでも予定であって、当日スケジュールに載っていない落語家さんや芸人さんが出演されます。 基本的に10日間同じスケジュールですが、どうしても都合が悪いとなると、変りの落語家さんや芸人さんが主演されます。 この日は、主演の順番が変わったり違う芸人さんは登場しました。何事も無いかのように、進んでいきます。もちろん会場を沸かして去っていきます。 こういうことに慣れているというのか、もう当たり前なんでしょうが、さずがプロの仕事です。 寄席は365日毎日興業しています。ほぼお昼から夜の9時くらいまで。多くの落語家さんがいますが、メディアで有名な落語家さんは数えるほど。 何度か寄席に行きましたが、笑点に出演している落語家さんは林家木九扇師匠くらいです。他にも大勢の落語家さんがいらっしゃいます。 メディアに出なくても、すばらしい落語家さんはたくさんいます。 毎日やっている寄席に一度行ってみてください。寄席だから体感できる話芸
新宿末廣亭は座敷席が最高
テレビやYouTubeじゃ見る事ができない芸ばかり
寄席は日常には無い空間
スケジュールはあくまでも予定なのが寄席
おわりに