落語協会と落語芸術協会の違いって? 初心者向けにわかりやすく解説

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落語を見始めると、よく目にする言葉があります。

「落語協会」「落語芸術協会」、さらに「立川流」「円楽一門会」……。

「何が違うの?」「どっちが本家?」と混乱しますよね。実は東京の落語界は4つの団体に分かれています。それぞれ成り立ちも個性も違います。この記事でまるごと解説します。

この記事でわかること

  1. 東京の落語界は4つの団体に分かれている
  2. 落語協会と落語芸術協会の違い
  3. なぜ分裂したのか?その経緯
  4. 円楽一門会と立川流が生まれたわけ
  5. どの団体がどの寄席に出るか

まず「協会」って何?

落語家は、会社員のように会社へ所属しているわけではありません。その代わり、落語家同士で作られた団体があります。野球で言うなら「チーム」というより、プロ野球選手会のようなイメージです。

東京の落語界には現在、大きく4つの団体があります。

東京落語界の4団体と規模

  • 落語協会:最大勢力。所属落語家約310人(全体の約54%)
  • 落語芸術協会:第二勢力。所属落語家約166人(全体の約29%)
  • 立川流:所属落語家約57人(全体の約10%)
  • 円楽一門会(五代目圓楽一門会):所属落語家約37人(全体の約6.5%)

4つすべて、元をたどればひとつの組織から生まれています。なぜこんなに分かれてしまったのか、その歴史を順に見ていきましょう。

落語協会とは?

1923年(大正12年)に設立された東京最大の落語団体です。古典落語を大切にしながら、テレビやメディアで活躍する落語家も多く輩出しています。

落語協会の代表的な落語家

  • 柳家喬太郎(古典・新作どちらも人気)
  • 林家木久扇(笑点メンバー)
  • 林家たい平(笑点メンバー)
  • 古今亭志ん朝(故人・名人と名高い)

東京の定席4か所すべてに出演できるのが落語協会の強みです。

落語芸術協会とは?

1930年(昭和5年)に設立された第二の落語団体です。設立当初は新作落語に積極的な落語家が中心でしたが、現在は古典・新作の垣根はほとんどありません。

落語芸術協会の代表的な落語家

  • 春風亭昇太(笑点司会)
  • 三遊亭小遊三(笑点メンバー)
  • 桂宮治(笑点メンバー)
  • 桂歌丸(故人・元笑点司会)

ひとつ注意点があります。落語芸術協会と上野の鈴本演芸場は1984年に絶縁状態になりました。そのため落語芸術協会の落語家さんは鈴本の高座に上がれません。観に行くときの参考にしてください。

なぜ団体が分かれているの?その経緯

もともとはひとつだった

大正時代以前、落語家たちに協会という組織はなく、師匠と弟子の一門という単位で活動していました。1923年に「東京落語協会」ができてからも、リーダーたちの考え方の違いから分裂を繰り返します。

1930年に新作落語派の落語家たちが独立して「日本芸術協会」(現・落語芸術協会)を設立したのが、最初の大きな分裂です。

1978年の大分裂騒動と円楽一門会の誕生

1978年(昭和53年)、落語界を揺るがす大事件が起きます。当時の落語協会の大幹部・六代目三遊亭圓生師匠が「真打の量産方式は芸の質を下げる」と協会改革を訴えましたが受け入れられず、多くの弟子を連れて脱退。新団体「落語三遊協会」を結成します。

ところが翌1979年、中心人物だった圓生師匠が急逝。新団体は自然消滅し、多くの落語家は落語協会に復帰しました。

しかし総領弟子の五代目三遊亭圓楽(笑点でおなじみ)の一門だけは協会に戻らず独自路線を歩み続け、1990年に「円楽一門会」となりました。

円楽一門会の代表的な落語家

  • 三遊亭好楽(笑点メンバー)
  • 三遊亭円楽(故人・元笑点メンバー)

1983年の談志師匠の脱退と立川流の誕生

分裂騒動を受けて落語協会が導入した「真打昇進試験制度」が、次の火種になりました。

1983年(昭和58年)、立川談志師匠の弟子2人が試験で不合格に。

談志師匠は「合否基準が不透明だ」と激怒し、その年のうちに落語協会を脱退して「落語立川流」を創設します。

立川流の代表的な落語家

  • 立川談志(故人・立川流の創設者)
  • 立川志の輔(独演会が常にチケット完売の人気者)
  • 立川志らく(テレビでもおなじみ)
  • 立川談春(俳優としても活躍)

立川流の最大の特徴は「定席の寄席に出られない」という点です。立川志の輔さんや立川談春さんを観たいなら、ホール公演や独演会に行くことになります。

新宿末廣亭などは特別興業などで立川一門会を開催もあるので、ぜひ足を運んでみて下さい。

どの団体がどの寄席に出るか

寄席 落語協会 落語芸術協会 立川流 円楽一門会
新宿末廣亭 × ×(ゲストあり)
上野鈴本演芸場 × × ×
池袋演芸場 × ×(ゲストあり)
浅草演芸ホール × ×(ゲストあり)

※ 立川流・円楽一門会の落語家さんは、定席以外の独演会・落語会で観られます。

初心者はどう考えればいい?

正直なところ、落語を楽しむのに団体の違いを気にする必要はありません。「事務所の違い」くらいに思っておけば十分です。

ただ、「あの落語家さんを寄席で観たい」と思ったとき、立川流や円楽一門会の落語家さんは定席の寄席には出ない(ゲスト的に出たりすることもあります。)ということだけ覚えておくと役立ちます。

初心者向けまとめ

  • 寄席(定席)に行くなら → 落語協会か落語芸術協会の落語家さんが出演
  • 立川志の輔・談春・志らくを観たいなら → ホール公演・独演会へ
  • 三遊亭好楽など円楽一門会を観たいなら → ホール公演・独演会へ
  • どの団体でも、落語の面白さは変わらない

まずは好きな落語家さんを見つけることが一番の近道です。団体の知識はあとからついてきます。

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