新宿末広亭 寿正月ニの席2018年1月17日 夜の部 主任は「柳家さん喬」師匠
新宿末広亭に新春から行って来ました。
世間はもうお正月気分ではありませんが、寄席はまだまだお正月の雰囲気です。
なんだか、遅いお正月がやって来たようです。
時間の都合で「中入り」後からの鑑賞でしたが、思う存分楽しむことが出来ました。
目次
末広亭 お正月公演とは
1月は「初春興行」として元日より営業しています。
1月1日から10日までを初席と言い、3部構成で落語家さんが多数出演します。
1月11日から20日までを二の席と言い、21日から30日までを下席と言い、ここから2部構成(いつもの通り)で興行が行われます。
新宿末廣亭は、奇数月の上席・下席と偶数月の中席は落語芸術協会所属の落語家さんが出演します。
逆に偶数月の上席・下席と奇数月の中席は落語協会所属の落語家さんが出演します。
二の席夜の部公演内容・時間
二の席夜の部出演者
落語 柳家 小はぜ・やなぎ・喬の字(交互出演)
漫才 ホンキートンク
落語 柳家 三之助・喬之助・はん治・〆治(交互出演)
落語 初音家 左橋
落語 林家しん平
奇術 松旭斉美登・美智
落語 柳家 喬太郎
落語 五街道 雲助
漫才 すず風 にゃん子金魚
落語 柳家 権太楼
落語 柳家 小満ん
お仲入り
寿獅子 太神楽社中
落語 柳家 小袁治
落語 桂 南喬
落語 春風亭一朝
紙きり 林家 正楽
落語 柳家 さん喬・柳家 小三治(交互出演)
公演時間(夜の部)は午後5時から9時までです。
落語だけじゃなく、漫才・奇術・紙きり芸・漫談・神楽など様々な芸を楽しめるようにプログラムされています。
料金体系
初席と二の席までは大人3,500円・学生3,000円。下席より大人3,000円・学生2,700円・65歳以上2,700円、友の会2,500円となっています。
友の会の募集はいつでも加入できます。
年会費1万円にて、3ヶ月有効の入場券を1年間に4回(入会月より3ヶ月毎に)送られてきます。
さらに、入会記念として、「扇子」、末廣亭名入りの「手拭い」、「湯呑茶碗」の3点のうち、好きなもの2点もらえます。
1ヵ月に2回以上観にいかれるなら友の会に入会したほうがお得ですよ。
紙きり芸 これこそが芸人
では、今回の芸人さんで、流石だと思えたのは、紙きり芸の林家正楽師匠です。
まず、紙きり芸とは「紙をハサミを使って様々な形を作る」芸です。人物や動物など様々なものをほんの数分で作り上げます。
紙きり芸は江戸時代のころより、宴席の余興から始まったとされています。
芸が地味と言うことから、紙きり芸人さんは当時から少ないのですが、即興で形を作り出すのは、常に世間のことや過去の様々なことに対し知識がないとできない芸と言えます。
そんな紙きり芸を見ることが出来ました。
高座にあがって、最初は今日の雰囲気に合わせて紙を切ります。その作品はお客さんに差し上げるんです。
そしてここから、お客さんからお題を貰って紙きり芸をします。
この日は、3つのお題を受けて紙をきりました。そのうちの一つだけは、正楽師匠も他のお客さんも、そのお題に対して最終的な形が見えてきませんでした。
そこから、お題を出したお客さんと正楽師匠のやり取りが始まります。
高座と客席の距離感がまったく無い状態となり、このやり取りも笑いに替えながら、「こんな感じかな」と造り上げました。
どんな状況でも、ほんの数分で形にしていくという芸はお見事です。
テレビでは見ることが出来ないともて貴重な芸です。これは寄席で観るしかないです。
主任は柳家さん喬師匠
今回の主任(とり)は柳家さん喬師匠でした。
やさしい語り口で落語界で今一番、人情噺が上手いと言えるのではないでしょうか。
今回の演目は「笠碁」という噺でした。これはさん喬師匠のお師匠さん「柳家小さん」師匠の得意とする噺です。
あらすじは、碁が好きな老人二人が、碁を打っている時に「待った、待たない」という些細なことで大喧嘩に発展。
お互いに絶交を宣言し、二度と碁は打たないと言い切って物別れ。数日は我慢できたものの、お互い次第に相手のことが気になりだす。
雨が数日続いたある日、会いたくなって出かけようとしたが生憎傘がない。
仕方なく大山詣の時に使った笠をかぶって出かける。
相手の家は商売をしているので店先にいるのはわかっている。
そこで、店の通りに反対から店の中の様子を伺いっていると、相手もそれに気付く。
ところが大喧嘩した手前、お互いに声を掛けづらい。
店の前を行ったりきたり、店の中では碁を用意して、いつでも迎え入れる準備をしている。
遂に痺れを切らして店の中から声を掛けるが、また喧嘩になると思いきや、碁盤を前にして、もう一度碁に興じる二人の噺です。
まとめ
寄席は落語だけじゃなく、漫才・奇術や神楽や紙きり芸など、様々な芸が楽しめる場所です。
その日の客席の状態に合わせて噺をしていく落語家さん達の芸がいつまでも続いて欲しいと思います。
また寄席に一歩はいると、別世界の空間があります。
特に、この末廣亭は新宿三丁目駅から徒歩数分。周りには飲食店が立ち並んでいる街です。
そんな街の中心に末廣亭はあります。劇場に入るとそこは昭和時代よりも昔のような空間があります。
一度行ってみてください。落語の世界にハマりますよ。
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