新宿紀伊国屋ホールで、柳家喬太郎プロデュースの「とみん特選寄席」に行ってきた。
せっかくチケットを手にしたのにも関わらず、当日は仕事の都合で二席しか鑑賞できなかった。
だか、こんなにも会場が一体となった寄席は初めてだった。
紙切り芸でボヘミアンラプソディー?
会場に到着と同時に中入り後の講談が終了し、残り二席を残すだけだった。新宿の末廣亭や上野御徒町の鈴本演芸場で何度も見た林家正楽さんの紙切り芸。
出囃子とともに高座にあがると、まず手始めに真っ白なA4位のサイズの紙を体を、すこーーし前後に揺らしながら手際よく鋏を駆使しながら切っていく。
切った形を会場のお客様に見せて、欲しい方に差し上げる。そしてここからリクエストを募ります。
数名の方が手を挙げながら、自分のお題をリクエストする。リクエストに答えられるのは、持ち時間にもよるがだいたい2つか3つ。
毎回思うのだが、どんなリクエストもおおよそ答えてくれる。
でも、たまーに「なぜそんなリクエスト?」と言うのもあるが、それも見事に答えて、会場を笑わせたり唸らせたりする。
今回、いくつかのリクエストのなかに、女性の声で「ボヘミンアラプソディ!」と声が上がった。
誰もが、こう思ったはず。”いや、それは無理でしょ”、”正楽師匠がQUEENを知ってるのか?”
たぶん無理だろうと思ったが、なんとこのリクエストを受けたんです。会場は一瞬のどよめきが起きたが、その後に聞こえてきたのは、QUEENの「We Will Rock You」だった。
そう、三味線が奏でるQUEENの曲。これには会場の誰もが驚きと自然とあの手拍子が巻き起こった!
ここは紀伊国屋ホールで「とみん特選寄席」の会場ですよ。まさかの演奏に合わせて正楽さんは、小気味よく「ボヘミンラプソディ」のリクエストに答えるがごとく数分で完成。
これを会場に見せると、「 フレディ・マーキュリー が歌っている姿」になっていた。ここで一斉に拍手が起こり、寄席なのに何か一体感的な不思議な瞬間が訪れました。
まさか寄席でこんな体験ができるなんてと思いつつ、どんなリクエストにも応える林家正楽さんに唸ってしまった。
本来のお目当ては、今回の寄席のプロデュースを手掛けた柳家喬太郎さんでしたが、この紙切り芸だけでも十分価値ある寄席でした。
高座に上がって芸を見せてくれる時間は、せいぜい15分から20分くらい。たったこの数十分でこれだけの芸を見ることができるのは、寄席ならではです。
寄席は、都内4か所で365日年中無休で演芸を見ることができます。ぜひ素晴らしい芸を見に行ってみて下さい。
スケジュールなどの確認は各寄席のHPから確認してみましょう。
新宿 末廣亭 http://www.suehirotei.com/
上野御徒町 鈴本演芸場 http://www.rakugo.or.jp/
池袋 池袋演芸場 http://www.ike-en.com/
浅草 浅草演芸ホール http://www.asakusaengei.com/
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